STRATEGY HARNESS ・ TACTICAL DESIGN HARNESS
戦略設計ハーネス(上流)と戦術設計ハーネス(下流)の違い
判断は1問。「何に賭けるかは決まっているか?」——NO なら上流で賭けを選び、YES なら下流で打ち手を組む。両方必要なら上流を回してから繋ぐ。このページは、フェーズ構成・エージェント編成・生成メカニズム・評価軸・機械検証・繋ぎ込みの6点を段ごとに突き合わせ、起動する前にどちらを回すかを決め切るためのもの。
上流 賭けを選ぶ/主産物は選択と棄却
下流 打ち手を組む/主産物は施策・ロードマップ・KPI・撤退基準
共通 生成と評価を別エージェントに分離
繋ぎ込み 上流の成果物を下流の入力へ渡す手動オペレーション
DECISION
1問
「何に賭けるかは決まっているか?」NO=上流/YES=下流。両方必要なら上流を回してから下流へ
AGENTS
10体/16体
エージェント実体数:上流 strat-* 10/下流 sd-* 16
RUNTIME
20〜40分/30〜50分
上流/下流の所要。原文の記載どおりレンジのまま扱い、代表値に丸めない
QUALITY GATE
4軸×4/5
両者とも全軸AND。総合点での救済はなく、差し戻しは最大3ラウンドで止まる
VALIDATOR
10件/15件
校正で全検出した仕込み不良の件数(上流/下流)。仕込んだテストケース数であり、検証の厳密さの尺度ではない
01
SECTION 01
判断は1問|あなたが回すべきはどちらか
分岐は「何に賭けるかは決まっているか?」の1問だけ。NO なら上流が STRATEGY.md=選択と棄却を、YES なら下流が施策・ロードマップ・KPI・撤退基準を出す。どちらを単独で起動する場合も、起動前に INPUT.md へ自分で書く最低入力(上流3点/下流4欄)が決まっている。
上流を回さない場面:「何を決めるか」自体が言葉になっていない段階(壁打ちが適切)
下流を回さない場面:方針そのものを問い直したいとき(下流は方針を所与として扱う)
横スクロールできます(図は右へ続きます)。下流から上流へ戻す兆候は2つ——評価者から route=plan の指摘が続くこと、採用施策が理想像に届かないこと。この1問は上流・下流いずれの SKILL.md も冒頭に同じ形で置いているため、どちらのスキルから読み始めても同じ結論に落ちる。
02
SECTION 02
4スキルの中での位置づけ|境界は方針が確定しているか
調べる(戦略分析)/考えを整理する(戦略的ディスカッション)/賭けを選ぶ(上流)/打ち手を組む(下流)——4スキルは進行度の順に並び、上流と下流は後半2段を担う別物である。境界は「方針が確定しているか」の1本に引かれ、左2つは評価者エージェントを持たず、右2つだけが生成と評価を分離したハーネスになっている。
横スクロールできます(図は右へ続きます)。所要は原文のレンジ表記のまま扱い、代表値には丸めていない(上流 20〜40分/下流 30〜50分)。上流から下流への受け渡しは STRATEGY.md をそのまま入力に渡す手順で、自動連携ではない(手順は SECTION 09)。
両SKILL.md の使い分け表は同趣旨だが記述の粒度が異なる(上流の評価欄は上流SKILL.md 側だけが「+機械検証+差し戻し」まで書き、下流の入力欄と生成の形の欄は下流SKILL.md 側の方が詳しい)。本ページはセルごとに記述の詳しい側を採り、行見出しは下流SKILL.md 版の「生成の形」を用いている。両表の記述内容が一致しているわけではない。
03
SECTION 03
パイプライン比較|上流5段 / 下流7段
上流は Plan → Brief → Generate → Synthesize → Evaluate の5段。下流はこの流れに Score(採点)と Integrate(統合)の2段が挟まって7段になる。契約ファイルは両者とも STRATEGY_BRIEF.md で、判断基準(重み合計100)・受入基準(全部 false、下流は passes:false)・禁止表現リスト・生成レンズを、生成が始まる前に確定させる。
横スクロールできます(図は右へ続きます)。生成レンズについて原文が書いているのは数だけで(上流3つ固定/下流2〜4)、レンズの名称も、下流でレンズ数を決める基準も記載がない。options/ 配下の options/option-A.md は strat-generator が書き出す出力ファイルの名前であって、レンズの名前ではない。
上流の禁止表現リストは STRATEGY_BRIEF.md に置かれることだけが原文にあり、どの語を禁じるかの一覧は上流側に記載がない(具体語5種が挙がるのは下流の機械検証の側で、SECTION 08 に置いた)。
04
SECTION 04
エージェント編成|10体 vs 16体
下流固有の工程に属するのは採点4体と統合3体の計7体で、上流では strat-synthesizer 1体が担っていた統合が3体に分かれるため、実体数の差は6体になる。増えた分はすべて「打ち手を絞り込み、組み立てる」側に充てられている。
横スクロールできます(図は右へ続きます)。図の数はエージェント実体の数であり、実際に起動される稼働数とは別である。稼働数は原文のレンジ表記のまま扱っている(上流は1回で15〜30体/下流は1ラウンド16〜18体・最大3ラウンドで延べ40体前後)。上流から下流へ通しで回した場合の合計体数と合計所要時間は、原文に記載がない。
書き込み権限を外す実装は tools: からの Write/Edit 除外で、評価者は自分では直せない状態を構造として作っている。エージェント定義をファイルから読み込ませて起動した場合は、Write/Edit を持たない Explore が代わりに割り当てられ、同じ保証が保たれる。
05
SECTION 05
生成メカニズム|競作で1本選ぶ vs 量産して採点で絞る
上流は互いを見ない3案を競わせて1本を選び、棄却理由を残す。下流は施策を多数出し、3軸の採点で採否を決める。解空間の広さの違いが、収束のさせ方を分けている。
横スクロールできます(図は右へ続きます)。生成レンズは上流が3つ固定、下流が 2〜4 だが、レンズの名称は上流・下流とも原文に記載がない。options/option-A.md / option-B.md / option-C.md は strat-generator の出力ファイル名であって、レンズの名前ではない。下流のレンズ数を何を基準に決めるか、1レンズあたり施策を何件出すか、そのうち何件を採るかも、原文に記載がない。
上流の「全部やる」「バランス型」=選択の放棄は品質ゲート(論理軸)の減点則だが、下流の「採用率が8割を超える」はしきい値ではなく、症状と対処をまとめた調整表の側の記述である。棄却物が /tmp に残ること(上流 options/・下流 initiatives/)は、SECTION 09 の繋ぎ込みの前提になる。
06
SECTION 06
品質ゲート|共通3軸+固有1軸
両者とも4軸すべて 4/5、判定は全軸ANDで総合点による救済はない。入れ替わるのは4軸目だけで、上流は頑健性、下流は整合——方針の耐久性を問うか、打ち手の噛み合いを問うかの差になる。
横スクロールできます(図は右へ続きます)。実行可能性の「担当『チーム全体』は空欄扱い」は、上流・下流それぞれの品質ゲート表に同じ規則として書かれた共通則であり、片側だけの規則ではない。上流の表にだけ加わっているのは「一歩『検討する』も空欄扱い」の方だが、これを上流のみと言えるのは品質ゲート表での話であって、機械検証の箇条書きでは上流・下流の両方に記載がある(SECTION 08)。
07
SECTION 07
差し戻しループと停止条件|両者に共通するハーネスの骨格
不合格でも戻り先は2つしかない。ブリーフ起因なら route=plan で受入基準を全部 passes:false に戻して再生成し、記述起因なら route=generate で統合担当が成果物を直接改訂する。どちらの経路に入っても最大3ラウンドで必ず止まる。
図が右端で切れているときは横方向にスクロールできます。停止条件を「契約充足/停滞2種/最大ラウンド/エージェント失敗」の4つまで列挙しているのは下流SKILL.mdだけで、上流SKILL.mdが停止として挙げているのは「最大3ラウンド/停滞検知」の2語である。原文にないのは停滞検知の種類数であって、契約充足による停止は上流にもある(上流のアーキテクチャ図にも「4軸すべてしきい値以上か → YES で完成」が描かれている)。停滞検知が何ラウンド目から発火しうるかは、上流・下流のいずれにも記載がない。
図の凡例に並べた骨格8項目のうち、「ハーネスの原則→実装」の対応表そのものは下流SKILL.mdにのみ存在する。上流分は各所の記述を突き合わせて観測できる範囲であり、上流SKILL.mdに同等の一覧表があるわけではない。
08
SECTION 08
機械検証|主観の入らない構造だけを先に落とす
両者とも「各施策に7項目が実在し、実質を伴っているか」を核に据えた同型のチェックである。違いは踏み込む範囲で、下流の validate_strategy_design.py は禁止表現・棄却の記述・ロードマップの期間表記まで見る。
図が右端で切れているときは横方向にスクロールできます。10件/15件は校正時に仕込んだ不良のテストケース数であり、検証の厳密さの尺度ではない。両スクリプトとも、良品はPASSさせたうえで仕込んだ不良を全件検出した実績として原文に書かれている。
下流の必須セクションは種類数(10種)と「存在と順序を見る」ことだけが原文にあり、内訳の名称は記載がない。上流の必須セクション6種は名称まで原文にある。形骸値のうち上流の箇条書きにだけ現れるのは担当「全社」の1語で、担当「チーム全体」と一歩「検討する」は上流・下流の両方に書かれている。
09
SECTION 09
上流→下流の繋ぎ込み|最も事故が起きる箇所
上流の STRATEGY.md を cp で UPSTREAM.md に置き、そこから下流 INPUT.md の4欄へ流し込む。事故は経路そのものではなく、棄却理由を制約欄と contextPaths の両方に載せたかどうかに集まっている。
図が右端で切れているときは横方向にスクロールできます。この受け渡しは自動連携ではない。cp の実行、INPUT.md 4欄の記述、contextPaths の指定はいずれも人手のオペレーションで、1つ抜ければ図の経路はそこで切れる。
入力の薄さは missing_context の膨らみと、成果物「未確認事項」の増加にそのまま直結する。これは上流・下流の両方に同じ趣旨で書かれている。
10
SECTION 10
早見表と、回す前に握っておくこと
4スキルを7観点で並べると、上流と下流は同じ道具の大小ではなく、入力も主産物も違う隣り合った別工程だとわかる。回す前に握っておく留保は、起動前・実行中・報告時の3つの時点に分かれる。
|
戦略分析 |
戦略的ディスカッション |
戦略設計ハーネス(上流) |
戦術設計ハーネス(下流) |
| 段階 |
調べる |
考えを整理する |
賭けを選ぶ |
打ち手を組む |
| 入力 |
分析テーマ |
相談したいこと |
意思決定の問い(〜すべきか) |
決まった方針/現状・課題感・理想像 |
| 生成の形 |
並列分析 |
対話 |
レンズ別に戦略案を競作 → 1本選ぶ |
施策を多数生成 → 採点 → 採否 |
| 主産物 |
分析レポート |
対話ログ |
選択と棄却(何を捨てたか) |
ポートフォリオ・ロードマップ・改善サイクル |
| 評価 |
なし(全員が生成側) |
人間が判断 |
4軸の独立評価+機械検証+差し戻し |
施策の4軸採点+成果物の4軸受入評価 |
| 所要 |
十数分 |
対話次第 |
20〜40分 |
30〜50分 |
| 使わない場面 |
原文に記載なし |
原文に記載なし |
「何を決めるか」が明確でない段階 |
方針そのものを問い直したいとき |
表が右端で切れているときは横方向にスクロールできます。「使わない場面」の行だけは両表になく本文の記述から起こしたもので、戦略分析と戦略的ディスカッションについては本文にも記載がないため埋めずに残した。所要はいずれも原文のレンジ表記のまま扱い、代表値には丸めていない。
両SKILL.md の使い分け表は同趣旨だが記述の粒度が異なる(上流の評価欄は上流SKILL.md 側だけが「+機械検証+差し戻し」まで書き、下流の入力欄と生成の形の欄は下流SKILL.md 側の方が詳しい)。本ページはセルごとに記述の詳しい側を採り、行見出しは下流SKILL.md 版の「生成の形」を用いている。両表の記述内容が一致しているわけではない。
図が右端で切れているときは横方向にスクロールできます。レーン上の項目のうち、片方のSKILL.mdにしかない記述には帰属タグを付けている。タグのない項目は上流・下流の両方に同じ趣旨で書かれている。
PASSは「決裁できる品質」の保証であって、正しい戦略の保証ではない
評価者が保証するのは判断材料の品質までで、意思決定そのものはユーザーの仕事である。両スキルとも同じ文でこれを明記している。起動前にユーザーが決めておく必要があるのは、結局のところ最初の1問(何に賭けるかは決まっているか)だけである。